石舞台古墳の東側約400mに“ピラミッド型古墳”と判明した都塚古墳があり、この古墳の背景となっているのが「葛(くず)神社」の鎮守の森です。
この神社は、九頭竜、つまり水神の竜神を祀り、吉野川から石三つを持ち帰ってお祭りする「お汝詣り」(おなんじまいり)の伝統行事で知られています。
この鎮守の森も長年、手入れが行われなかったので、木々が生い茂り、すぐ近くからも、神社も鳥居も見えない状態でしたが、今回の作業で、神社西側の急斜面の雑木、雑草、つるなどを100mにわたり取り払い、神社の南側境内をすっぽり覆っていた竹林を間伐し、枯れて放置された竹を50mにわたって取り除き焼却しました。
さらに拝殿の屋根にたまりにたまった枯葉を取り除き、木々にからみついていたフジツル、フウトウカズラ、ビナンカズラ、クズを除去し、景観を修復しました。
このほか、これまでのワーキングホリデーのたびに記念碑として設置した案内板の修復作業も村内8か所で実施しました。
びっしり竹が生い茂った葛神社南側
木々に覆われて鳥居も見えなくなった鎮守の森
さあ、作業開始。フジツルを除くためツルとの綱引き
次々、竹を伐採し境内に集めていく
伐採した竹や木は、軽トラックで20数杯分搬出し焼却した
倒壊していた古木を引き上げる女性チーム
神社西側急斜面を覆った雑草、つたを伐採し、運び出す2班のボランティアたち
伐採した木々、古木をがけ下から引き上げるのが大変で、綱引きの連続だった
ユンボも動員して伐採した木々、竹の焼却作業
くつな石案内板の支柱を補強中の3班のメンバー
上宮寺の案内板も補強
草木に覆われていた飛鳥寺近くの案内板もきれいに
くつな石を訪れた台湾から参加のみなさん
拝殿屋根にたまった落ち葉をブロワ―で吹き飛ばす新開会長。無事、屋根の清掃終了
神社南側の密林化した竹を間伐、ツル、カズラを取り除き、向こうがやっと見えるようになって作業終了
雑木、雑草を処理し、視界が開けた神社西側境内
婦人会「ひまわり会」の料理の腕は有名。この日のメニューは伝説のちらしずしに飛鳥鍋汁だった
すべての作業終了、「ひまわり会」のメンバーとともに全員でハイポーズ。皆さん、ご苦労さまでした
今回は、鎮守の森(杜)での作業のため、地元のしきたりに従い、まず般若心経を、続いて神道の祓詞(はらえことば)を称えてから作業を開始、無事、3日間の作業を終えることができました。
活動日程
2015年11月21日(土)~23日(月・祝)
作業地
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阪田大字葛神社鎮守の森とその周辺(1班、2班)
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これまでに設置した案内板設置個所8か所(3班)
参加者 57人(3日間延べ171人)
内訳 ボランティア28人(うち台湾から4人)
阪田大字 役員8人、
婦人会「ひまわり会」17人
明日香村地域振興公社
(あすか夢耕社)4人
昼食メニュー
22日 古代米特製カレーと地元野菜サラダ
23日 伝説のちらしずしと飛鳥鍋汁
(いずれも阪田大字婦人会「ひまわり会」が調理)
飛鳥歴史講話(1)
「万葉のお正月」
古代民俗研究所代表 大森 亮尚先生
飛鳥歴史講話(2)
「阪田地区の発掘調査――細川谷古墳群の調査結果を中心に」
明日香村教育委員会文化財課 高橋 幸治先生