2015年 秋のワーキングホリデー(通算14回目)

 石舞台古墳の東側約400mに“ピラミッド型古墳”と判明した都塚古墳があり、この古墳の背景となっているのが「葛(くず)神社」の鎮守の森です。

 この神社は、九頭竜、つまり水神の竜神を祀り、吉野川から石三つを持ち帰ってお祭りする「お汝詣り」(おなんじまいり)の伝統行事で知られています。

この鎮守の森も長年、手入れが行われなかったので、木々が生い茂り、すぐ近くからも、神社も鳥居も見えない状態でしたが、今回の作業で、神社西側の急斜面の雑木、雑草、つるなどを100mにわたり取り払い、神社の南側境内をすっぽり覆っていた竹林を間伐し、枯れて放置された竹を50mにわたって取り除き焼却しました。

さらに拝殿の屋根にたまりにたまった枯葉を取り除き、木々にからみついていたフジツル、フウトウカズラ、ビナンカズラ、クズを除去し、景観を修復しました。

このほか、これまでのワーキングホリデーのたびに記念碑として設置した案内板の修復作業も村内8か所で実施しました。

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 びっしり竹が生い茂った葛神社南側
 

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 木々に覆われて鳥居も見えなくなった鎮守の森

 

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 さあ、作業開始。フジツルを除くためツルとの綱引き
 

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 次々、竹を伐採し境内に集めていく
 

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 伐採した竹や木は、軽トラックで20数杯分搬出し焼却した
 

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 倒壊していた古木を引き上げる女性チーム
 

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 神社西側急斜面を覆った雑草、つたを伐採し、運び出す2班のボランティアたち
 

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 伐採した木々、古木をがけ下から引き上げるのが大変で、綱引きの連続だった
 

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 ユンボも動員して伐採した木々、竹の焼却作業
 

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 くつな石案内板の支柱を補強中の3班のメンバー

 

上宮寺1

 上宮寺の案内板も補強
 

飛鳥寺2

 草木に覆われていた飛鳥寺近くの案内板もきれいに
 

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 くつな石を訪れた台湾から参加のみなさん
 

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 拝殿屋根にたまった落ち葉をブロワ―で吹き飛ばす新開会長。無事、屋根の清掃終了
 

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 神社南側の密林化した竹を間伐、ツル、カズラを取り除き、向こうがやっと見えるようになって作業終了
 

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 雑木、雑草を処理し、視界が開けた神社西側境内
 

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 婦人会「ひまわり会」の料理の腕は有名。この日のメニューは伝説のちらしずしに飛鳥鍋汁だった
 

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 すべての作業終了、「ひまわり会」のメンバーとともに全員でハイポーズ。皆さん、ご苦労さまでした
 

今回は、鎮守の森(杜)での作業のため、地元のしきたりに従い、まず般若心経を、続いて神道の祓詞(はらえことば)を称えてから作業を開始、無事、3日間の作業を終えることができました。


活動日程
2015年11月21日(土)~23日(月・祝)

作業地

  1. 阪田大字葛神社鎮守の森とその周辺(1班、2班)

  2. これまでに設置した案内板設置個所8か所(3班)

参加者   57人(3日間延べ171人)

内訳    ボランティア28人(うち台湾から4人)

      阪田大字 役員8人、

      婦人会「ひまわり会」17人

      明日香村地域振興公社

        (あすか夢耕社)4人

昼食メニュー

   22日 古代米特製カレーと地元野菜サラダ

   23日 伝説のちらしずしと飛鳥鍋汁

   (いずれも阪田大字婦人会「ひまわり会」が調理)

飛鳥歴史講話(1)

「万葉のお正月」

 古代民俗研究所代表  大森 亮尚先生

飛鳥歴史講話(2)

「阪田地区の発掘調査――細川谷古墳群の調査結果を中心に」

 明日香村教育委員会文化財課 高橋 幸治先生

ASUKA SCENERY CONSERVATION VOLUNTEER ASSOCIATION